新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する対応について

患者様各位

昭和大学形成外科では

緊急性を伴わない待機可能な侵襲的形成外科手術の口腔・鼻副鼻腔手術、顔面の手術に関して事態が収束に向かうまでは、原則として実施を延期もしくは中止する方針でおります。ただし、口唇裂初回手術および転位の著しい顔面骨骨折、悪性腫瘍、壊死性筋膜炎や異物などの感染、外傷など緊急または準緊急性があるものは各病院内で協議し手術の適応と判断された場合は手術を行います。

今後の対応におきましては随時新しい情報が入り次第このホームページでも更新していきます。

形成外科学会より

一般社団法人日本形成外科学会(JSPRS)
理事長 清川兼輔
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への形成外科診療の対応について新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的に蔓延しており、本邦でも7都府県に対し非常事態宣言が出されました。今後、同陽性患者に対し陽性と知らずに形成外科診療(手術)を行う可能性が予想されます。患者安全の確保、感染拡大の防止、形成外科医を含めた医療従事者の曝露防止、院内感染予防に十分留意するとともに、感染症診療のための医療資源の確保に努める必要があります。現在の新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑み、形成外科診療について以下の対応を提言いたします。
なお、本提言は暫定的なものであり、今後の本邦における新型コロナウイルス感染症の蔓延の程度、同疾患の病態解明の進捗、治療薬・予防ワクチンの開発状況よって本提言の内容は適宜見直しがなされます。

提言:“医療崩壊を起こさないために、今、我々ができる事”
1. 医療人が感染しない事
緊急性を伴わない待機可能な侵襲的形成外科手術の患者に対しては、特に感染が拡大しているもしくはしつつある地域では、事態が収束に向かうまで、原則として実施を延期もしくは中止する。
2. 医療資源の適正配分
新型コロナウイルス感染患者の診療に必要な医療資源(医療物資、輸液、抗生剤、ベンチレーター、医療スタッフ等)を、その感染症診療に供給することを目的として、早期治療を要する患者および医療スタッフ感染防止以外での使用を可能な限り削減する。

以上、ご理解とご協力をお願い致します。

参考
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、一般的な感染対策や手術が制限される状況になった時の、形成外科手術のトリアージを行うにあたっての注意点についての指針を示します。手術遂行をどのように判断するかのよりどころとして、Centers forMedicare and Medicaid Services (CMS)または American College of Surgeons (ACS)で推奨されている段階的アプローチを参考にして、各地域各施設の状況に応じた判断をしていただくことをお願いします。特に、頭頚部および頭蓋顎顔面領域の手術(口腔・鼻・副鼻腔手術、顔面骨骨折手術、眼周の手術など)については、医療スタッフの感染のリスクが高いことが報告されています。その点を鑑み、特に感染が拡大しているもしくはしつつある地域では、原則として延期もしくは中止の方向でご検討ください。
また、手術を避けられない場合には、医療スタッフの感染防止に万全を期してください。

CMS ガイダンス
https://www.cms.gov/files/document/31820-cms-adult-elective-surgery-andprocedures-recommendations.pdf
ACS トリアージガイドライン
https://www.facs.org/covid-19/clinical-guidance/elective-case/

参考資料:CMS ガイダンス(抜粋)

延期すべき                 :外来手術.。生命を脅かすことがない。 手根管開放術、内視鏡手術など
延期を検討する   :生命を脅かすことはないが、将来的には病的状態や死亡率に影響する。入院治療を要する。低リスクの悪性腫瘍,人工関節置換術、待機できる脊椎手術など
延期すべきでない      : 早期治療を要する。 悪性腫瘍、神経手術,移植手術、外傷、開放骨折など